本文へ進みます
これまでの受賞者

2016年度 奨励賞受賞

『チームにおける責任感の必要性』
経営リソース統括部 総務部 佐藤 洋志

私は大学時代に情報系の学部で学んだ。私が所属していたコースでは、情報システムの企画・設計・開発を実践的に学ぶことに重点が置かれていた。
そのため企業での情報システム開発と同様に、チームでの演習を多く経験した。その中で、開発など割り振られた仕事については責任感を持って完成させた。
その一方で企画・設計などチームの方針を決めることについては、チームの意見に従った。話し合いを長引かせるより、開発に時間を使う方が有効だと考えていたからである。
しかしこれでは、チームの一員として責任を果たしていないと気づいた。それは入社後に経験した、ピラミッド製造シミュレーション研修でのことである。

この研修では一つのチームをピラミッド製造工場とみなし、製造工程を分担して四角錐の紙製ピラミッドを製造・販売する。
その過程でメーカ企業の業務の流れや、業務効率化を意識することの重要性について学ぶ。私はここでリーダーである工場長を務めた。
ここでも製造方法を決定する際は、メンバーの意見に従った。メンバーが作業しやすい方法を採用することが、最も効率が良いと考えたからである。
しかしこれによって、品質を重視するメンバーと作業の速さを重視するメンバーの意見をまとめないまま製造することとなった。
結果として製造方法は確立できず、損失を出し続けた。その一方で、他のチームは製造方法を確立し、利益を上げるチームも見られた。
ここから私は、チームで成果を出すためには、チームの方針を明確にすることが必要だと体感した。

そのため私は、チームの一員としてチームの方針を決めることにも責任を持たなければならない。これは私がリーダーであるか、そうでないかに関わらず必要である。
チームの方針によって、やるべきことが決定されるからである。私が責任を持って業務に取り組んでも、それがチームの方針に適合しなければ、ただの自己満足になってしまう。
従って、私は、自分の意見をチーム内に発信していかなければならない。やるべきこと、それが必要な理由を明確にしなければならない。

ここで、私の業務に照らし合わせて考える。私は、輸送機器メーカのグループ企業で使われる情報システムを開発・保守・運用する会社に入社した。
私は、これからシステムエンジニアとしてグループ企業の情報システムに携わっていく。
当社の情報システムは、グループ企業の各社において製品の開発・製造・販売、さらに会計・人事など全ての事業領域を支えている。
私は、やるべきことを理解し自分の意見を持つために、グループ企業全体もチームだと意識することが必要だと考える。
現在では情報システムは業務に無くてはならないものとなっている。そのため当社の情報システムが顧客に与える影響は大きい。
情報システムを開発・保守・運用する際には、顧客をチームの一員と考え、顧客のために必要なものを提供し続ける意識が必要だと考える。

私は親会社での工場実習から、その際に顧客と同じ目線で考えることが必要だと学んだ。工場では製品製造や部品管理のために、人の手による業務が多くあり、それを当社の情報システムが支援していた。
人の手による業務は、想像していたよりも負担が大きいことを体感した。また、輸送機器の品質は人命に直結するため、品質を保証する対策が何重にも施されていることを学んだ。
そこから私は、当社の情報システムに業務効率化と品質保証を確実に実行することが求められていると体感した。加えて、これらを果たすために全力で取り組まなければならないと責任感が生まれた。しかし必ずしも顧客の業務を体感できるわけではない。さらに当社の情報システムがグループ企業各社の全事業領域を支えているという特性上、私が知らない知識が求められることも考えられる。
その際には、顧客の業務について共感することが必要だと考える。そのためには、私の工場実習での経験を活かすこと、私が知らない分野の知識を学び、顧客の業務を理解することが必要である。
新たな知識を身に付けることは容易ではない。しかしチームの一員のためだと考えることで、乗り越えられると確信している。

私は研修での経験から、チームの一員としての責任感を持たなければならないと学んだ。チームの業務をさらに良くするために、自分の考えを発信し、チームに貢献しなければならない。
当社の業務はグループ企業の各社において、業務効率化と品質の保証に貢献することである。そのために顧客の業務を知らなければならない。その際に、顧客の業務を直接体験することが最も有効だと工場実習から学んだ。
しかしそれが不可能な場合は、工場実習での経験や新たな知識によって共感したい。これらを通してチームへの責任感が生まれると確信している。
そしてグループ企業というチームに貢献できる社会人になりたい。

ページ
先頭へ