本文へ進みます
これまでの受賞者

2014年度 努力賞受賞

『ヒューマンスキルの必要性』
経営リソース統括部 総務部 平野 真里奈

私は、大学時代にショッピングサイトのシステムを設計し、プレゼンテーションを行うグループ演習を経験した。そこで、高度なシステムが必ずしもお客様にとって最善のシステムではないことを実感した。メンバーたちの能力を駆使した多くの機能を搭載したシステムは、自分たちにとっては大変満足のいくものだった。しかし、お客様にとっては複雑で使いづらいという印象が強く残ってしまった。高性能で多種多様な機能を擁したものよりも、シンプルで分かりやすい操作性やストレスのない応答性が、お客様にとっては優先される場合があることを学んだ。また、幼稚園や小学校の先生方にパソコンの使い方を教えるボランティア活動に参加したとき、受講者のITスキルや年齢などにはさまざまな違いがあった。そのため、個々に合わせた対応力が求められ、相手の立場に立って考え行動する難しさを体感した。

この経験を踏まえ、私は入社後のITスキル研修の際に、他のメンバーに分からないところを質問された時には、答えの導き方に留意した。自分が操作して解決するのではなく、その手順の意味を説明しながら相手に理解してもらえるよう努めた。そして、この経験は私がITスキルを教えるだけでなく、メンバーの質問の仕方やそのタイミング等、私が今まで気づかなかったコミュニケーションスキルを学ぶ機会にもなった。メンバー同士がお互いのスキルを補い、新しい発見が生まれることで高め合うことができていると感じた。

この事で私は、お客様にとって最善のシステムを構築する上では、プログラム技術のようなテクニカルスキルだけでは足りないことを学んだ。このスキルを十二分に活かすためには、相手と的確なコミュニケーションを図るためのヒューマンスキルも高める必要がある。この二つのスキルが揃うことによって、お客様に最適なシステムを提供することが可能になると考える。

そのためには、お客様がシステムについて正しく理解できるように分かりやすく伝えるための工夫が必要である。今までの経験から、例えば専門用語を避けたり、強調したいことをシンプルにまとめたりすることが効果的であると感じる。これによって、相手が難しいと思う要素を少しでも減らすことができると考える。また、メリット・デメリットはお客様視点で表すことで、お客様により身近に感じていただき、お互いのイメージの共有エリアを広げることができる。そして、どのような質問をしてくるかを予測し、お客様の反応を確かめながら説明することができれば、コミュニケーションも円滑に進めることができる。自分の基準や目線でアウトプットしてはいけない。同じ課題であっても相手の視点やITリテラシーによって伝え方を変えることで、常にお客様に満足していただけるシステムづくりを目指していかなければならない。ヒューマンスキルを高めお客様との信頼関係を築き、お客様のかけがえのないパートナーとなり得るよう貢献していきたいと思う。

さらに、近年のグローバル化や他者との競争の激化などお客様の環境変化の先を見据えて、どのようなシステムが必要なのかを見極めなければならない。ビジネス環境の変化を的確に捉え、それに応じたお客様の要望の本質を素早く理解することが重要になってくる。特に中小企業にとっては、社員一人ひとりのスキルの高さが企業競争力を左右する。人材は企業の要と言われる所以を感じざるを得ない。そこで、広い視野を持った人材になるためにも直接現場へ足を運び、声を聴いて現状を正確に把握することが必要である。実際に親会社の工場実習の経験を経て、現場で導入されているシステムを利用する機会があり、それを体で実感することができた。自分自身がシステムに触れ活用することにより、お客様の負担を減らし、更に効率的なシステムを考えるきっかけとなった。加えてこれからの自分の責務が明確になり、その重要性を再認識した。そして、現場では人とシステムのそれぞれの良さや得意分野を活かし、万が一のミスさえも無くなるように補完的役割を果たしながら、業務を行っているのだと感じた。すべてをシステムに任せるのではなく、人の目や手を使うことによってより安全性が高まることを学んだ。

工場実習やITスキルの研修を経て、テクニカルスキル及びヒューマンスキルをより高いレベルで身につけていかなければならないと感じた。一社会人として、お客様の視点に立って考え、より良いシステムを提案することによって信頼関係の構築を図っていきたい。そして、お客様の目標の実現に向けてシステムを提供し、その先にあるエンドユーザーの心躍らせる感動へとつなげていけるシステムエンジニアになりたい。

ページ
先頭へ